1本のキュウリができるまで

夏は、畑作業には厳しすぎる季節です。昨今の異常気象も相まって、夏場の強烈な日差しと暑さは、想像以上に体力を削ってきます。夏の間は、いくらか涼しい午前中のうちに作業を終わらせるようにしています。だいたい5時に起床し、7時までには畑に行くようにしています。

畑作業で使っている機械は草刈り機くらいで、それ以外は人力だけでやっています。夏は雑草の成長が尋常ではないくらいに早く、いくら刈っても1〜2週間で元通りに。草刈りは、夏の主要な任務です。

基本は草刈り機で除草しますが、草刈り機が入れられないような狭い所は、鎌を使って手で刈ります。しゃがんでは草を刈るを繰り返すので、腕や足腰が筋肉痛になることもあります。狭くも広くもない畑ですが、頻繁に畑の中を歩き回るので、万歩計で測ると移動距離は毎回5km程度に達します。

1時間作業をして15分休憩する、という感じで休憩を挟みながらやりますが、炎天下での作業は4〜5時間が限界です。それ以上やると、他の仕事にも影響しますし、なにより命の危険を感じます(笑)。

暑さで面白いくらいに汗が噴き出し、全身ずぶ濡れになります。普段は500mlの水筒を1つ持っていけば事足りますが、夏場は1.5Lの飲み物を持参します。それでも足りなくなることも多いです。ミネラル不足にならないように、家を出る前に梅干しを食べるようにしています。

夏場は、虫の襲来とも闘わなくてはいけません。疲れた身体を日陰で休ませていると、蚊やブヨが襲ってきます。奴らは涼しい場所に潜んでいるので、本当に腹が立つのです(怒)。ブヨに顔を刺されるとボクサーのように腫れるので、とてもやっかいです。

夏は、帰宅してからも闘いが続きます。猛烈な日差しで日焼けした身体は、水シャワーを浴びても全く冷えません。身体が熱くて夜もなかなか寝つけず、熟睡できずで、寝不足気味になります。こう書き連ねてみると、なんだか中学生の部活のようです(笑)。

「何でこんな事をやってるんだろう?」あまりの暑さに現実逃避したくなる時があります。でも、そんな時に正気にさせてくれるのが、隣の畑のおじさんです。

6月の猛暑日が続いた日、隣の畑に視線を移すと、おじさん(齢75歳)は、軽トラックの荷台に積まれた重さ10kg以上はある肥料袋を、自分の畑へと1人でせっせと運んでいました。それも20袋近くも(驚愕!)。気温35℃を越す酷暑の中、そんな事をしているおじさんもある意味、正気とは言いがたいけれども(笑)、そんな頑張っている姿を見てしまうと、若輩者が弱音を吐いてはいられない。。。
暑さにウンザリしつつも、炎天下に黙々と作業をするおじさんの姿を見ては、気合いを入れ直します。

隣のおじさんご夫婦は、何かにつけて野菜をくれます(家で食べる何倍もの野菜を育てては、ご近所や知り合いの方々に配っています)。先日もキュウリをたくさんいただきました。暑くて誰も外に出たがらないような極暑の中、大量の汗をかきながら人知れずコツコツと働いた結果、できたキュウリ。畑を始めていなかったら、この有り難さはわからなかったかもしれません。